いつもありがとうございます。鳥爺です。
鳥爺
2回目のご相談は、ハンドル名コガネンからのご相談です。
「我が家は共働きで、昼間長時間留守することが多いです。そのため家の鳥(コガネメキシコインコ)は、ほとんどがケージの中です。しかもケージも広くなく、普通のケージを使っています。こんな現状でウチの子は幸せでしょうか?ちなみにウチの子は3歳の男の子です」
コガネンさん、ご質問ありがとうございます。
日中、仕事や学校で不在されている方がとても多いので、コガネンさんと同じ悩みを抱えていらっしゃる方は多いと思います。
実は我が家も留守がちで、ケージも日本では普通サイズです。
海外のように大きいケージが入るだけの広い家でしたら、少しは違うかもしれないですが、なかなか難しいですよね。
ところで毎日留守番しているコウやんはどう?
コウやん
どうって? 幸せってこと?
ま、それは後回しにするとして、鳥爺の家に来るまではとり村の中庭で飛んだり、遊んだりすることができたので、そのときに比べらたら前のほうがいいよ。
鳥爺
はっきり言ってくれるね。でも、たしかにそうかも、、、。
やっぱり幸せじゃないんだ、、、!?
コウやん
それは後で、って言ったでしょう!?
まずはケージのことを考えようよ。
鳥爺
そうだったね。やっぱり大きいケージがいい?
コウやん
もちろん、広ければ広いほうがいいと思う。でも、それができないなりの工夫もたくさんあると思うよ。
鳥爺
例えばどんなこと?
コウやん
その前にまず私たち鳥がケージという限られたスペースの中で、どんな楽しみがあるか想像してみて。
鳥爺
それって、人が牢屋みたいな所に入って、楽しみを考えろってこと?
コウやん
鳥爺、鳥でもないくせに飛躍しすぎ(笑)。私たちはケージのことを牢屋なんて、ちっとも思っていないよ。でも一歩間違えたら、鳥たちにとってケージは牢屋になるのかもしれないね。だからこそ、ケージの中の楽しみを考えてみようよ。
鳥爺
了解です。まずケージの中といえば、おもちゃ、、かな。そして食事、、、、え~と、他には、、、??
コウやん
ま、鳥爺のことだから、そうくると思ったよ。実はこんな風にも考えられるよ。止まる、登る、ぶら下がる、探す、咬む、壊す、羽を広げる、羽繕ろいをする、安心できる物に身体の寄せて昼寝をする、景色を眺める、など。
どう? こんな風に考えると、言い方が悪いけど、ケージはただ閉じ込めている箱ではないよね?
鳥爺
たしかに、そうかもしれないね。
鳥たちにとって得意なこと、好きなことを考えるとケージの中が違う空間に見えてくるのかも。
ところでコウやん、毎日掃除が終わった後のケージって、やっぱり気分がいい?
コウやん
そりゃあ、もちろん。そういえば鳥仲間に聞いたけど、1週間に1回くらいしかしてくれないペットショップなんかもあるみたい。
鳥爺
え~!? そうなんだ。お客様が来店するわけだから綺麗にすることは当然だし、衛生面でも大切だよね。
こうやん
でもね、毎日掃除をしていることで、鳥爺自身は達成感を感じているんじゃないの?
鳥爺
達成感というほど大げさではないけど、掃除して綺麗になったケージに入ってもらうときは、「ちゃんとお世話しているんだ」、という満足感はあるよ。
コウやん
そう、そこなんだよね。たしかに1週間に1回の掃除なんて論外だけど、毎日の掃除で満足する鳥爺と、私にはちょっとだけのギャップがあるよ。
鳥爺
えっ!? どんなこと? 毎日掃除をする自分って、良い飼い主だと思っていたけど、、、。
コウやん
ごめん、ごめん、責めているわけではないよ。掃除をすることは前提条件として、そのときにいろいろな工夫をすることで、ケージで暮らす鳥たちがもっと幸せになるかもしれないってこと。
鳥爺
よくわかんないけど、もっと具体的に教えて。
コウやん
わかった。ではひとつ聞くけど、掃除をする前と掃除をした後、ケージの中はどんな変化がある?
鳥爺
それは、敷紙の交換やトレーの水洗い、次亜塩素酸での消毒かな!? 後は飲み水の交換や食事の補給など、、。
コウやん
それだけ??
鳥爺
いや、ときどき止まり木やおもちゃを交換したりしているよ。
コウやん
いつもご苦労様です。実は私から見ると、ケージの中は綺麗でも、劇的な変化はないよ。
鳥爺
え~!? コウやん、大人しそうに見えるけど、劇的な変化がほしいの?
コウやん
うむ~。そういう面もあるけど、それだけではないかも。
鳥爺
なんだか難しくなってきたね。
コウやん
「劇的」かどうかはわからないけど、例えばケージのお掃除をするとき、中にいる鳥さんを外に出してあげてる人が多いと思う。
鳥爺
外って、例えばリビングに置いてあるプレイジムなんかだよね?
コウやん
そうそう。そのときにケージの中身を全部出して、全く違うものに変えちゃうの。
鳥爺
中身を全部出して、変えちゃう? 止まり木も、おもちゃも、、、??
コウやん
そうそう。食器もね。
鳥爺
たしかに劇的だね。そんなことしたら、鳥さんを戻そうとしたら仰天するんじゃないの?
コウやん
たしかに、そういう子もいると思うよ。だから、そういう子は「劇的」よりも、もっと小さく変化させて。
鳥爺
車で例えると、1、2年に一部を変えるマイナーチェンジと、名前こそ変わらないけど、形がゴロッと変わってしまうフルモデルチェンジということ?
コウやん
鳥爺もたまにはわかりやすいことを言うね。そう、「劇的」がフルモデルチェンジで、「少しの変化」がマイナーチェンジかな。
鳥爺
でも、フルモデルでも、マイナーでも、そんなに毎日変えて大丈夫なの?
コウやん
毎日変えてあげるのは理想的だね。でも、飼い主さんの手間が増えるので、1日目はおもちゃ、2日目は止まり木、3日目は食器、みたいにローテーションしてもいいのかな。
鳥爺
先日ご相談があった臆病な子は、どうしたらいいの? 仰天どころか、ケージに戻ってもくれないのじゃない?
コウやん
そうだね。「劇的」はきついので無理は禁物。「少しの変化」から始めるといいと思う。
鳥爺
疑問が湧いたんだけど、ケージじゃなくて、外に出したときのプレイジムなどを「劇的」に変化させてはいけないの?
コウやん
それもありだけど、今回のご質問がケージであるということと、鳥さんが一番長い時間留守番する場所は、ケージだからね。ケージの中が退屈をしない空間に、しなくてはならないと思うよ。
鳥爺
退屈しない空間ね、、、!?
コウやん
それだけじゃないよ。ケージの中の変化に怖がる子も、少しづつの変化であればきっと慣れてくると思う。そして今度はケージに戻るときに、緊張しつつも、どんな感じになっているか楽しみになるかもしれないよ。
鳥爺
ワクワクしてくれるかな?
コウやん
もちろん個人差、いや個鳥差があるかもしれないけど、鳥さんは頭が良く、好奇心が強いので、きっとケージの中をエンジョイしてくれると思う。
鳥爺
ケージの中で鳥さんがエンジョイしてくれると思うと、飼い主である私たちも嬉しくなるね。
コウやん
エンジョイするかどうかは、鳥さん次第だけど、まずは止まり木の話をするね。
鳥爺
止まり木ね。そうこなくっちゃ!? 止まり木は僕もアドバイスできるよ。
コウやん
へ~!? どんなこと?
鳥爺
止まり木の太さが大事なんだよね? 太すぎても、細すぎてもいけないので、目安として止まった時に円周の3分の2、くらい指が回る感じいいんじゃないの!?
コウやん
なるほどね。たしかにそうかもしれない。でもね、止まり木って、私たち鳥からすれば、ベッドのようなものなの、わかる?
鳥爺
なんとなく、、。人間はベッドの横になるけど、鳥は止まり木を握ったまま寝ているもんね。
コウやん
じゃ、人間のベッドは、最適な基準ってあるの? 例えば硬さがこれくらいとか、素材はこうだとか、、、!?
鳥爺
硬さね、、、。少し前までは低反発が流行っていたけど、最近はアスリートの人たちが高反発を使っているみたい。個人的には、畳にセンベイ布団がいいんだけど(笑)。
コウやん
そうでしょう!? 鳥も同じ。個人差いや個鳥差があるのよ。
鳥爺
え~!? そうなの?
コウやん
鳥爺は長年、鳥を見てきてて気がついたことがないの?
鳥爺
えっ!? どんなこと?
コウやん
教科書通りの止まり木をつけていても、食器に止まって寝ている子とか、床に居る子とか、はたまたケージにぶら下がっている子とか、、。
鳥爺
あるある、そういえばあるよ。そう、コウやんもそうじゃん。いつも食器に止まっているね?
コウやん
そう、私も最初は止まり木だけど、爆睡するときは食器のほうが寝心地がいいの。
鳥爺
へ~!? そうなんだね。じゃ、みんな食器にしちゃえばいいじゃん。
コウやん
また、短絡的に考えて、そんなことだから信頼されないのよ。
鳥爺
ジェジェジェ、、、!?(古い!) 信頼されていなかったんだ(涙)。
コウやん
でもね、このことからわかってほしいことがあるの。それは、理想的な止まり木の太さや、自然木がいいというのはわかるけど、もし可能であれば、自然木もできるだけ細かったり、太かったりなど、変化に富んだ止まり木がいいってことなの。
鳥爺
なるほど、鳥たちはそのときの気分や気持ちで、今の自分にとって快適に止まれる場所を探しているんだね。だったら、止まり「木」でなく、止まる「所」の選択肢が多いほうがいいということだね?
コウやん
そう、その通りです。
鳥爺
止まり木のことはわかりました。次は?
コウやん
待って!? 鳥爺はまだわかっていないね。
たかが止まり木、されど止まり木です。実は、止まり木は奥が深いのよ。
鳥爺
えっ!? まだあるの?? コウやんと話をしていると止まり木って、奥が深そう、、。
コウやん
奥が深いのは止まり木だけじゃないけどね。ま、それは別の機会にするとして、、、。
鳥爺
止まり木は、止まる「所」ということで「木」だけじゃないんだよね。
コウやん
そう。私みたいに食器のヘリに止まるのが好きな子もいると思うし、ケージの網に張り付いて止まる子もいると思うの。また、高齢になったり、体調が悪い子なんかは、丸い止まり木より、平たい形をしたほうがいい場合もあるよ。
鳥爺
なるほどね。それ以外には?
コウやん
止まり木って、止まっている印象があるけど野生の鳥を想像してみて?
鳥爺
野生の鳥? コウやんの故郷は中南米だよね。そんなはるか遠い国のことは想像ができないよ。
コウやん
そうじゃないの。その辺にいるスズメやムクドリなんかを想像してほしいの。
鳥爺
想像はできるけど、止まり木と結びつかないよ。
コウやん
私が伝えたいのは、野生の鳥が止まっている木や枝は「止まっていない」でしょ!?
つまり、「揺れている」でしょ!?
鳥爺
そんなにムキになることはないんじゃない。たしかに、そうだね。そうか野生の鳥は飼い鳥のように、固定された止まり木のほうが、不自然なんだ。
コウやん
そう、その通りよ。
鳥爺
だけど固定されている方が楽じゃん。
コウやん
たしかにそうかもしれないけど、揺れていることで、鳥たちに脚力というのかな、そういう部分が鍛えられるし、バランス感覚も養われるのじゃないかな。
鳥爺
脚力とバランス感覚、、、なるほど。考えてもみなかったよ。でも、それがケージの中が楽しくなるってこと?
コウやん
楽しいかどうかは、その鳥さん自身の問題だけど、、、。私は少なくても身体の奥の方から、野生の本能のようなものが芽生えてくるような感覚を感じるの。
鳥爺
ふ~ん。じゃあ例えば、ロープのようなものとか、ブランコなんかいいのか?
コウやん
うん、いいと思う。ただ、ロープは消耗してくると爪を引っかけやすいから、古くなったら交換してあげてね。あとは、止まり木が並行に止まっていなくてもいいと思うの。斜めにつけても止まりたいときには止まると思うし、、、。
鳥爺
なるほどね。コウやん言うように、たかが止まり木、されど止まり木だね。
コウやん
最後に大切なことを繰り返すね。
鳥爺
大切なことって、どんなこと?
コウやん
いろいろな止まり木の工夫があると思うけど、ずっと毎日同じではなく、マイナーチェンジやフルモデルチェンジをしてあげてほしいの。びっくりする子には時間をかけて、そうじゃない子は大胆に、でもいいのかな!?
鳥爺
止まり木のことはよくわかりました。
他にはどんな工夫をすれば、ケージの中で楽しくなるか教えて。
コウやん
やっぱりケージの中で楽しくて退屈しないといえば、やはり王道は「おもちゃ」でしょう。
鳥爺
そうくると思ったよ。
でも、おもちゃだったら、愛鳥家の皆さんもそれぞれ工夫していると思うんだけど、、、、。
コウやん
もちろん、そうだと思うよ。だから復習のつもりで聞いてもらえるとありがたいです。
鳥爺
では、どんなおもちゃがいいの?
コウやん
そうね。まず一番重要なのは安全性かな!? 止まり木もそうだけど、おもちゃの素材そのものが大丈夫かどうか。つまり、鳥さんがおもちゃで遊んでいて、中毒でもなったらたいへん。
鳥爺
中毒になるって、そんなおもちゃってあるの?
コウやん
あるよ。例えば鈴がついたおもちゃなど。鈴は光っているし、遊ぶと音がなるので好きな子が多いよね。でも、その鈴に鉛が含有されていたら、鉛中毒になる可能性があるの。
鳥爺
それはたいへんだ。そういえば同居しているマンゴ@オオハネナガインコは鈴大好きだけど大乗なの?
コウやん
あの鈴はステンレス製だから大丈夫。自分で買っといて、覚えていなかったの?
鳥爺
いやぁ最近、忘れっぽくてね(苦笑)。あと、どんなことに注意すればいい?
コウやん
そうね、実際にあった話だけ、、、。齧って遊ぶおもちゃだけど、それを食べてしまって腸閉塞(?)になった子がいたの。
鳥爺
ちょ、腸閉塞(?)に?
コウやん
そう、まさかと思ったけどおもちゃや止まり木を、つい食べてしまう子はいるみたいね。
鳥爺
どうして? 食べ物がない訳ではないんだよね?
コウやん
食餌はちゃんとあるんだけど、どうして食べてしまうのか原因はわからないみたい。
鳥爺
そうなんだ。ではどうしたらいいの?
コウやん
大切なことは、しっかり観察することだと思う。もし、鳥さんが齧るおもちゃを食べているように見えたら、即座にそのおもちゃは撤去して。またそういう子は、止まり木も齧って食べているかもしれないので、排泄物もしっかり見てほしいの。
鳥爺
なるほど、便におもちゃや止まり木のカケラが混じっていたら要注意だね。
コウやん
たいへんだけど、観察は重要ですね。
鳥爺
了解しました。おもちゃの話から鳥の行動を観察する、ということに流れが変わっていったね。
コウやん
ごめん、ごねん。でも鳥の行動と観察はとっても重要なので、また別の機会に話ができるといいね。
鳥爺
是非、お願い。おもちゃの話に戻るけど、以前海外の鳥の雑誌を見たら、ケージの中はおもちゃだらけだったよ。そんなにたくさんのおもちゃを入れてもいいの?
コウやん
おもちゃって、鳥が遊ぶだけ、だと思っている?
鳥爺
おもちゃだから、遊ぶんじゃないの?
コウやん
実はそれだけじゃないんだよ。
コウやん
おもちゃって、鳥さんによっては喜んで遊ぶ子もいれば、怖がったり、関心が全くない鳥さんもいるよね。また、おもちゃが好き過ぎて、発情しちゃう子もいると思うの。
鳥爺
そうだね、おもちゃって意外に難しいね。
コウやん
実はおもちゃには別の使い方があるのよ。それは「隠れる」ということ。
鳥爺
おもちゃに隠れるって、どういうこと??
コウやん
野生の鳥を想像してほしいの。私たちインコやオウム、そしてフィンチは「襲われる側」であることは知っているよね?
鳥爺
それくらいは知っているよ(プンプン)。
コウやん
それでは私たちの仲間は、野生ではどのようにして生き延びていると思う?
鳥爺
それはいろいろあると思うけど、まずは集団で行動すること。集団で行動すれば襲われる確率が減るよね。
コウやん
そうそう。意外と知ってるじゃない。
鳥爺
バードライフアドバイザー で習ったからね(笑)。付け加えると、「元気なフリ」や「食べるフリ」をして、「襲う側」の動物たちに狙われないようにするんだよね。
コウやん
そうそう。他には何かある?
鳥爺
う~ん!? さっき「隠れる」って言ったよね? 「隠れる」ってどいうことだろう、、、。
コウやん
例えばね、日中も夜間もそうだけど、眠ったり、じっとしていたりするときだってあるじゃない?
鳥爺
うん、それはあるよね。
コウやん
もし爆睡しているときに、「襲う側」の動物に見つかってしまったらどうなってしまう?
鳥爺
そりゃあ、食べらちゃうでしょ!・
コウやん
そうでしょ!? だから眠ったり、じっとしているときは天敵から見つからないように隠れたいの。
鳥爺
だけど、それって野生の世界だよね。安心して過ごせるお家だったら、問題ないんじゃない?
コウやん
たしかに、信頼できる飼い主さんの側であれば心配はないと思うよ。でもね、本能だけはどうしようもないの。私たちは「襲われる側」だから、リスク管理が他の動物よりもしっかりしているのよ。だから前回のご相談にように、「臆病」って言われたりするのかもしれないけど。
鳥爺
そうなんだ。なるほどね。でも、海外みたいに大きいケージだとおもちゃをたくさん入れて「隠れ場所」が作れるけど、ここ日本ではどうしたらいいの?
コウやん
「隠れる」という役割を果たすのであれば、おもちゃだけに限らないけど。
鳥爺
えっ!? だっておもちゃの話じゃないの?
コウやん
違うよ。ご相談はケージの中で幸せに暮らせるようにするため、ということだったよね。
その流れで、昨日まではおもちゃの話をしたんだよ。そして、さらに流れて「隠れる場所」に繋がっていった訳。日本の住宅事情ではおもちゃを活用して「隠れる場所」を作るのが難しいのであれば、おもちゃという発想から外れてもいいんじゃない!?
鳥爺
なるほどね。コウやんは頭が柔軟だね。
コウやん
鳥爺こそ歳とると、頭硬くなるから気をつけたほうがいいよ。
鳥爺
はい、はい(苦笑)。それでは、おもちゃ以外というと、、、、。そうか、巣箱かな??
コウやん
そうくると思ったよ。たしかに巣箱を作ったら「隠れる場所」になるね。でも、巣箱って常にあったらどうなる?
鳥爺
たぶん発情を促して、繁殖行動に繋がると思う。
コウやん
そだねー。(どこかで聞いたことが、、、!?)繁殖目的であれば巣箱は必要だけど、隠れる場所だけのためには入れない方がいいよね。
鳥爺
だったら、おもちゃは発情しないの?
コウやん
もちろん、おもちゃに発情する子もいるかもしれないけれど、たくさん入っていると発情する対象物が多すぎて、むやみに発情しなくなる、とも言われているよ。
鳥爺
へ~!? では、どうしたらいいの?
コウやん
まずはケージの4面あるうちの1面だけは壁際にするようにしてほしいの。もし鳥爺が前から、横から、後ろからと4面すべてから見える置き方(見せ方)をすると、どう思う?
鳥爺
誰も鳥爺なんて、見に来ないよ。
コウやん
いやいや、そういうことではなくて、、、。鳥爺が鳥だったとして、四方八方から見られたらどう感じる?
鳥爺
そりゃあ、恥ずかしいし、落ち着かなし、ちょっと、いや、かなり嫌だね。
コウやん
そうでしょう。だからせめて1面だけでも、そうしてほしいの。さらに工夫して、もう1面いやその半分でもいいので、鳥が隠れるようにできればと思います。ただ、飼い主さんから全く見えなくのも心配なので、角度によっては見えない程度くらいでいいのかなと思っています。
鳥爺
なるほどね。
鳥さんっていつも自分たちのことを見ているように思ったけど、休んだり、眠くなった時なんかは、安心して寛ぎたいんだね。そんなときに四方八方から見えるということは不安なんだね。
コウやん
そうよ。でもほとんどの鳥さんが、飼い主さんに愛されていて安心した環境なので心配ないけど。でも、ケージの中で落ち着きがなかったり、おどおどしていたら、「隠れる場所」を考えてあげてほしいです。
鳥爺
了解しました。
ケージの中が幸せになるということでのご相談はこの辺にしましょうか?
コウやん
ちょっと待って。
もう少しだけ付き合ってもらってもいい?
鳥爺
えっ!? まだあるの?
コウやん
あるよ。いろいろあるけど今回はすぐできることをお伝えしたいと思っています。
鳥爺
それはありがたい。どんなこと?
コウやん
まずは、ケージの場所だけど、ケージっていつも同じ所に置いてある?
鳥爺
同じところだよ。掃除するときは動かしたりするけど、また元に戻すよ。
コウやん
そうだよね。私のケージもいつも定位置だもんね。
鳥爺
えっ!? 定位置じゃ、いけないの?
コウやん
いけないことはないよ。いつも同じ場所なので、落ち着けるし、、、。でもね、隣はいつもマンゴ@オオハネナガインコ。その隣がウイリー@るりコンゴウインコ。正面がウーロン@文鳥、、、。
鳥爺
コウやん、今の位置に不満があるんだね?じゃ、席替えしようか?
コウやん
不満はないんだけど、自然界を想像してみて。野生の鳥たちは、毎日飛び回って違う景色を見ているよね。本来であれば毎日同じ景色が見えることって、自然界ではあり得ない、ってことなの。
鳥爺
たしかに、そうかもしれないね。でも、毎日外に連れ出して、自然を見せることってできないよ。
コウやん
うん、それはわかっている。そこまでじゃなくて、例えば、さっき鳥爺が言った席替えとかでも効果があると思うよ。また席替えを毎日するのはたいへんだから、ケージの向きを変えるだけでもいいの。要は見える景色に変化をつけてほしいの。
鳥爺
ケージの向きを変えるだけでもいいんだ?
コウやん
そう、見ている景色がそんなに大きく変わるわけじゃないけど、向きがかわった瞬間だけでも緊張するから。緊張の度合いも鳥さんそれぞれだけど、自然界ではもっと劇的に変化しているのだから、これくらいは問題ないと思うよ。
鳥爺
なるほどね。そう考えたらケージの向きや、位置変え以外にもいろいろありそうだね。
コウやん
鳥爺もようやくわかったみたいね。たしかに毎日、止まり木もおもちゃも、そしてケージの場所や向きなどもそのままの方が落ち着けるように思えるけど、自然界と比べると違うよね。
鳥爺
コウやんはどうしても野生の鳥の暮らしを考えてしまうんだね。
コウやん
そうよ。だって私たちの先祖、いや祖父母、いやいや、もしかしたら両親は自然界で生活していたかもしれないの。犬や猫と違って、鳥は人間と一緒に暮らすようになったのは最近だからね。
鳥爺
なるほどね。だから野生の血が騒ぐんだ。
コウやん
血が騒ぐ、というと大げさだけど、もし、お世話している鳥さんの行動に疑問や問題があったときは、「野生の鳥だったらどうしているのかな?」って考えてみると、解決の糸口が見えてくるかもね。
鳥爺
なるほど、なるほど。話が戻るけど、次は何をすればいいの?
コウやん
そうでしたね。次は食器かな。
鳥爺
食器、、、!? 考えてもいなかったよ。ショッキ!
コウやん
もしかして「ショック!」の駄洒落??
鳥爺
失礼しました(苦笑)。
コウやん
はい、はい。では気を取り直しましょう。例えば食器は、向かって左側が水で、右側が食餌というように決めてある?
鳥爺
うん、決めているよ。そのほうがわかりやすいじゃん。
コウやん
たしかにわかりやすいよね。鳥さんも極端に言えば、目をつむっていても食事にたどり着けるからね。
鳥爺
、、、ということは、ダメなの?
コウやん
もちろんダメではないよ。そうじゃなくって、さっき話したばかりでしょ!?
野生の鳥には食器なんてないでしょう? それに毎日、違うところで違う物を、食べているかもしれないし。
鳥爺
ほんとだ。だけどケージの中の食器を無くすなんてできないし、、、。
コウやん
鳥爺はいつも同じ場所に食器を並べている、と言ったよね?
朝食を入れ替える時に、鳥さんはご飯の場所で待っているんじゃない?
鳥爺
そうだよ。僕がご飯あげるのを待ってくれていて可愛いよ。
コウやん
たしかに可愛いよね。でも、必ずここで待っていればご飯をもらえるというのって、マンネリ化じゃない?
鳥爺
たしかに。でも、そこをどう変えればいいの?
コウやん
まず簡単なところから。食器のお水と、ご飯の場所を入れ替えてみるの。そうすると、いつもの待っている場所にはご飯じゃなくて、お水が来るから、ちょっと戸惑うよね。
鳥爺
なんか、いじわるしているみたいだね。
コウやん
いじわるじゃないよ。もし、そこにご飯がなければ探そうとするよね。この「探す」という行為がとても大切なんだよ。
鳥爺
「探す」ことが大切!?
コウやん
そう、食事を探す行為のことを、「フォレイジング」って言うんだよ。日本語で「食事探し行動」って言ってる人もいるね。
鳥爺
フォレイジング?? ふ~ん!?
コウやん
あまりピンときていないみたいね。野生の鳥達は、起きている日中の多くの時間を、食事探しに費やしていることは知ってるよね。
鳥爺
もちろん、知っているよ。だって、誰もご飯をくれないからね。
コウやん
そう、だからいろいろなところに飛んでいって、食事を探さなくてなならないの。
これはとてもたいへんな労力だよ。
鳥爺
そうか、食事を探すことをケージの中でもできるようにすればいいんだね?
だけど自然界と違い、ケージという限られた空間の中で「探す」ってできるの?
コウやん
そう、それが重要なの。だからもう少し話をさせてくれる?
食器の話が続くけど、今までと違う色やデザインの食器に変える、ということもできるよ。
鳥爺
えっ!? ケージを買った時に一緒に同梱してあった食器とは、別に必要なの?
コウやん
そう。でもそんなに高価なものじゃなくてもいいの。ペットショップやホームセンターに、金具で引っ掛けるタイプのものや、床置きタイプの食器なんかもあるよ。素材が安全なら自作したり、空箱を代用してもいいんだから。
鳥爺
食器の位置が変わることで、フォージングの効果があるから、食器が違うものに変われば、鳥さんもびっくりするだろうね。
コウやん
たぶんね。でもね、いきなり初めて見るような物を食器として入れたら、危機管理能力が高い子はパニックを起こすから気をつけてね。
鳥爺
危機管理能力が高いって、前回の相談のときの「臆病な子」のことだよね。
コウやん
臆病じゃないの。危機管理能力が高い子。
鳥爺
はい、はい。わかりました。もう言いません(苦笑)。でも現実問題、危機管理能力が高い子には、新しい食器は無理だよね。
コウやん
そんなことないよ。いきなりケージに入れるからびっくりするのであって、最初は鳥さんから少し離れたところに置いておくの。そして毎日少しづつ近づけて、ある程度近くまで持ってきたら、入れてあげてもいいと思うよ。
鳥爺
それって、止まり木やおもちゃでも同じだよね。
コウやん
よく気がつきました。その通りです。
鳥爺
じゃ、違う食器をどれくらい用意すればいいの?
コウやん
そうねえ。3セットもあればいいんじゃないの。それをローテンションしたり、いろいろ組み合わせをしたりすれば、それなりにバリエーションも増えるよ。
鳥爺
なるほどね。他には何かある?
コウやん
もし、小さい食器(代用品でもOK)がいくつもあれば、食器を増やすということもありだよ。
鳥爺
それって、おいしいね(笑)。
コウやん
そう言うと思った。食器を増やす場合は、食事量は変えてはダメです。じゃないと鳥爺の場合、すぐウエイトオーバーになっちゃうでしょ!?
鳥爺
残念でした(苦笑)。ここまでのところをまとめると、食器を3種類ぐらい用意し、ローテンションで使う。その場合は初めての食器はいきなり入れるのではなくて、まず遠くから見せるところから慣らしていく。次に食器の数を増やす。ただし食事量は変えないこと。これで、いい?
コウやん
そうね。いずれにしても大事なことは、鳥さんの性格によっていろいろあるから、無理強いは禁物だよ。あくまでも鳥さんがケージの中で、マンネリ化しないようにしてほしいだけだからね。
鳥爺
わかりました。ケージの中の工夫はいろいろあると思うけど、一応これで一旦終了しますね。こうやん、ありがとう!!
コウやん
いえ、どういたしまして。お役に立てれば嬉しいです。でも、フォレイジングについては、まだほんのさわり程度だけでしたから、機会があったらゆっくりお伝えできたらと思っています。
鳥爺
了解です。そのときはお願いします。
ご質問をいただいたハンドル名コガネンさん、いかがでしたでしょうか?
少しでもこの話がお役に立てれれば嬉しいです。ありがとうございました!!